ライオン丸の間違いだらけのSEO 第3回 バナーのリンクは価値がない? 役に立つリンクと役に立たないリンク

ライオン丸 [著] 2006年08月30日
http://markezine.jp/a/article.aspx?aid=107

 サイト開設から時間がたってくると、相互リンクの申し出があったり、いつのまにかリンクされたりということがある。ところが自サイトのバナーを使ってリンクされた時に、SEOの効果が無いものもあるのである。リンクされるのだから相手次第だが、せめて相互リンクの時には書式をリクエストして、きっちり効果のあるSEOをやっておきたいものだ。

リンク元の4つの書式

 まず、サンプルの書式を見ていただこう。説明すると次のとおり。

1. 画像リンク:alt属性(代替テキスト)なし
2. 画像リンク:alt属性に「マーケジン」
3. テキストリンク:「マーケジン」
4. テキストリンク:「MarkeZine」

 これらはいずれも、リンク元のリンク書式である。検索されたい自ページのことではないことに注意して欲しい。SEOとして、リンク元ではどのようなリンク書式が有効であるのか、それを解説する。

グーグルの順位アップ

 さて、上記例では、グーグルでは、「マーケジン」というキーワード検索の時に、SEOとして有効な順番は、

1 = 4 < 2 < 3

 となる。3が最も有効だというのが私の仮説だ。

 1と4は、「マーケジン」というキーワードとは無関係なリンクであり、そのため価値が低い(というか、ほぼゼロである)。また画像のalt属性(代替テキスト)よりも、純粋なテキストの方が価値は高い。

 ということで、一にも二にもリンクは、キーワードを含めたテキスト、バナーなどの画像を使われた場合も、かならずalt属性にキーワードを含めてもらうことが重要なのである。

グーグルのテキストマッチとアンカーテキストマッチ

 なぜ、「1 = 4 < 2 < 3」となるのか、グーグル自身から説明を聞いてみよう。

Google の人気の秘密
PageRank(TM)について
 (PageRank(TM)が高いような)重要度が高いページでも検索語句に関連がなければ意味がありません。そのためにGoogleは洗練されたテキストマッチ技術を使って、検索に対し重要でなおかつ、的確なページを探し出します。
(中略)
Google は入力した用語を含むページのみを返します。
 多くの検索エンジンとは違い、Googleでは入力されたキーワードのすべてがテキストかリンクアンカーと一致するページだけを検索結果に表示します。これで無関係な検索結果にストレスを感じることはもうありません。

 まず、PageRankページランク)が重要な順位アップ要素だとしても、ページ自体が「検索語句に関連がなければ意味が」ないということ、そしてキーワードが、(a)テキストに一致するページ、(b)リンクアンカーと一致するページ、だけを検索結果に表示するとある。

 図で説明すると、

1. 自ページに「マーケジン」というキーワードのテキストが書かれている
2. リンク元から「マーケジン」というキーワードのテキストでリンクされている

 ということになる。(b)の場合は、自ページに「マーケジン」というキーワードのテキストが書かれている必要はない。

キーワードとリンクの関係

 SEO用語では、(a)は「テキストマッチ」、(b)は「アンカーテキストマッチ」と呼ばれている。

 なお、「2 < 3」についてであるが、私はグーグルの中の人ではないので、はっきり断定できないことをご理解いただきたい。今現在の観測データに基づくものであり、 alt属性よりも純テキストの方が確率的に順位が高くなる現象が見えているのである。もちろん、明日はガラっと変更になる可能性もある。といっても、いきなり「2 > 3」になることは考えられない。せいぜい「2 = 3」どまりだろう。

ヤフーには「アンカーテキストマッチ」はない!?

 ところで、これも同じく観測データにすぎないのだが、どうもヤフーの場合は「1 = 2 = 3 = 4」となっていて、どれも同じ価値のようである。しかも、非常に評価が低い。よって、グーグルと同じ順位アップを期待してリンクを受けていく場合は、おそらく100倍あるいは1000倍のリンク元が必要になると想定される。

 例えば、「link:http://〜」という検索オプションで、自サイトや競合サイトのリンク元をチェックすることができるが、莫大なリンクを受けているにもかかわらず、ヤフーではさほど順位が上でないサイトを多く見かけるはずだ。

 ヤフーの場合は、グーグル以上にリンク集サイトでの登録や相互リンクが、無駄な努力に終わりそうである。ヤフーにはおそらく、「アンカーテキストマッチ」はないも同然だろう。よって、先の図の(a)のみ(しかもグーグルとは大きく違ったページ内キーワード記述の評価)で、(b)がなく、そして(c)や(d)や(e)や(f)といった新たなルールが存在していそうである(中の人ではないので、あくまでも観測データから)。

検索エンジン対策としてのリンク

 結論としては、グーグル対策としてはキーワードを含むテキストによるリンクを受けることが必須条件である。そして、ヤフー対策としては、書式に関係なく数を稼ぐことが得策かもしれない。しかしながら、それでも、いつアルゴリズム(順位付けルール)が変更になるか分からないので、alt属性に無頓着なバナーリンクは避けるようにして、なるべくならテキストリンクを受けることに注意しておいた方がいいだろう。