企業Webサイト制作現場の“非常識” 魅力ある花形か究極の3Kか? Webデザイナーの明日はどっち?

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見学志望の若者たちと、じっくり話をしてみると

そろそろ学生には夏休みがやってくる。例年、この時期になると、我が現場にさえ「話を聞きたい」「できれば制作現場を見学したい」という希望が寄せられることもある。要するに、将来のリクルート活動の参考に……といったところなのだろう。
もっとも、設立から求人の歴史がない我が現場では、特定の学部や学校などとの採用事例もないため、その数は極端なほど少ない。しかも、ほとんどが知り合いの息子さんや娘さんで、過去に入力などのアルバイトをお願いした関係で、その友人ともども「あくまで参考」にというパターンばかりである。
したがって、「インターン」と称して、夏休み限定で志望者を集める同業社と違い、純粋な意味でリクルート活動に役立つとはいえない。さらに、現場見学となると、個人情報もあるし、守秘義務もあるし、きわめて限定された時間なので、おそらく参考にもならないだろう。
その代わり(?)というわけではないが、じっくり時間をかけ、見学志望者と話をするようにしている。せっかくの志望者だからという気持ちがあるのは事実としても、逆に、彼ら彼女らが「Web業界」を志す視点が極めて新鮮で興味深いし、Web業界志望者をとりまく環境の変化も、聞けば聞くほど考えさせられることが多い。
とりわけWebデザイナー志望の若者たちと話をすると、我が業界が直面している課題が見えてくるような気がする。

Webデザイナーの守備範囲と求められるスキルは?

実をいうと、Webデザイナーという言葉は、すでに過去のものになってしまっているような先入観がある。少なくとも、我が現場への見学志望者たちの志望は、よくよく聞けばWebデザイナーではなく、Web制作の現場に関わりたいというもののようである。
ところが、Webデザイナーで検索してみると、約2640万件(Google 日本語のページ)もあり、養成講座から求人情報などまで、まだまだ花形職業(?)の位置にあるようだ。しかし、Webデザイナーの「仕事はなにか」と、重箱の隅をほじくるように考えていくと、意外なほど曖昧としていている。
すべての統計をとったわけではないが、我が現場のように「純粋にデザインだけ」というのは少数で、多くは「htmlも」担うのがWebデザイナーとしている。なかには「flashjavascriptも」という欲張ったものから、「Webサーバ構築も」できるスーパー・スキルのWebデザイナーもないわけではない。
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