「目指すはYouTubeよりmixi動画版」Ask.jpが動画共有サービスを開始

http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/14412.html
 アスク ドット ジェーピーが運営する検索サイト「Ask.jp」は、ユーザー投稿型の動画共有サービス「Ask ビデオ」ベータサービスを6月26日に開始した。利用は無料で、ユーザー登録の必要なく閲覧できる。

SNSを取り入れた動画コミュニティ。ブログでの動画表示もサポート

 Ask ビデオは、デジタルカメラや携帯電話で撮影した動画をアップロードして共有できるサービス。ユーザーが利用できるディスク容量は無制限だが、1ファイルごとの容量は最大50MBに、再生時間は5分に制限される。ファイル形式はMWVやMPEGなどほとんどの形式に対応しており、携帯電話向けの 3GPP/3GPP2もサポート。メール投稿は現時点で利用できないが、今後の対応が予定されている。
 アップロードした動画ファイルはFLV形式に変換され、再生にはMacromedia Flashが必要。視聴はストリーミングのみでダウンロードはできないが、将来的にはダウンロードの対応も検討していくという。アップロードされている動画ごとに用意されているHTMLコードを利用し、ブログやホームページに好きな動画を表示することもできる。
 動画のアップロードにはユーザー登録が必要。登録ユーザーにはメッセージ送受信やプロフィール表示訪問者がコメントを残すための「足あとコメント」といったSNS機能が用意されているほか、お気に入りの動画をブックマークする機能、お気に入り動画でアルバムを作成する機能なども搭載。アップロード画像には任意のキーワードが設定可能で、キーワードごと投稿動画を一括表示できる。

■ 「Ask.jpがメディア化する」ための第1弾サービス

 Ask ビデオは、Ask.jpの新たなサービス展開の第1弾。これまで検索エンジンを中心としてきたAsk.jpだが、Yahoo! JAPANGoogleの存在感が強い日本市場において、「いかにAsk.jpならではの強みを出していくか」というテーマの答えが「自らがメディア化」することであり、その施策としてコミュニティに重点を置いていくという。
 第1弾として動画を選んだ理由については「ユーザーから見て直感的なコンテンツ。また、Yahoo!動画GyaOなどの登場によって、インターネットで動画を見る流れができ始めている」(アスク ドットジェーピーの大江知之執行役員COO)。こうした流れを踏まえた上で、「まだ市場が確立されていない動画投稿サービスの市場を狙うことが得策と考えた」。
 一方、「こうした分野ではベンチャーの勢いやスピード感が怖い」との危機感を示しながらも、「動画に関しては企業の体力も必要」と指摘。「トランスコスモスグループにJストリームを持つ我々は、この点でも強い」と自信を見せた。
 動画投稿では米国のYouTubeが日本でも話題だが、テレビ番組を無断でアップロードするなど違法なコンテンツも多い。大江氏も「サービス開始にあたってYouTubeを徹底的に研究したが、80%は日本のテレビ番組のキャプチャー。人がお金をかけて作った作品をタダで見ているから面白い」と分析する。
 こうした違法コンテンツはAskビデオでは厳しく取り締まる予定だ。これまでもブログの監視などを担当している社内のコールセンター部門を利用して違反コンテンツのチェックを行なうほか、そうした違法コンテンツの対策について民放各局とも連携していく。

■ ユーザーが自発的に動画を投稿するコミュニティを

 一方で「ただアップロードできるプラットフォームを用意しておくだけではつまらない動画集になりかねない」との危惧もある。そのため、ユーザーの動画投稿を促進するような企画を積極的に投入する方針だ。「米国ではプロ並みの実力を持ったユーザーがどんどん動画を投稿している。日本でもそうしたクリエイターが活躍できる場を作っていきたい」。
 「Ask ビデオが動画を投稿するための場所」というブランディングも重要視。大江氏は「一般のユーザーはまだ動画を撮影してアップロードすることに慣れていない」と前置いた上で、「例えば写真でも、単なる写真撮影ではそれほど盛り上がらないが、プリクラのような編集要素を取り入れることで流行した」と指摘。そうした動画編集機能を取り込むことで、ユーザーが動画を投稿するきっかけを与えていく。
 サービス開始当初は閲覧者を集めるために公式動画コンテンツの投入も予定するが、最終的には自発的に活性化していくコミュニティを確立していく。「我々はYouTubeというよりもmixi動画版を目指したい」。
 収益は広告が中心だが、動画の挿入広告は「コンテンツも揃っていないうちから広告を入れると人が離れていく」との考えから現時点では考えていない。「ビジネスである以上、お金を垂れ流すことはしない。きちんと採算を考えていく」ために、まずはユニークユーザーやページビューを高め、広告で収益を上げていく方針だ。