富士通がWebのアクセシビリティ診断ソフトを強化

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060515/237993/
 富士通は、Webサイトのアクセシビリティをチェックするためのツールを強化した。5月18日から、同社のWebサイト(http://design.fujitsu.com/jp/universal/assistance/)で公開し、無償提供する。
 公開するのは、「WebInspector 5.0」。Webページが、経済産業省が2004年6月に制定したWebのアクセシビリティ指針「JIS X 8341-3」の要件に対応しているかどうかの確認を容易にする。確認したいWebページを指定すると、問題のある場所、問題の概要、それに対応する JISの要件番号がリストアップされる。
 5.0では、チェック可能な項目を旧版(4.0)の68個から89個に増やした。例えば、音声読み上げソフトが正しく機能するように、「東 京 都」のように一つの単語にスペースや改行を入れていないかがチェックできる。また、問題点の表示方式を改良し、一覧画面で選んだ問題点が画面上のどこにあるかを赤枠で示すようにした。
 富士通は今回、WebInspectorのほかに、背景色と文字色の組み合わせをチェックする「ColorSelector」、ユーザーの色覚特性による見え方の違いを再現できるツール「ColorDoctor」の新版もそれぞれ開発。これらもWebInspectorと同じWebサイトで公開する。
 WebInspectorとColorSelector、ColorDoctorの3ツールは03年からこれまでに、合計11万6000本がダウンロードされたという。富士通はこれら3ツールを、同社のWebコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)の「i-CityPortal」や「Web コアEnterprise」に6月以降、組み込んでいく。今秋以降には他社にも提供する予定だ。
 なお同社は今回、総務省が2005年12月に公共サイト向けに出したアクセシビリティ指針「みんなの公共サイト運用モデル」に沿ったチェック・ツール「WebInspector 5.0 Plus」も開発した。ただ5.0 PlusはWebサイトでは公開せず、書籍「よくわかる Webアクセシビリティ&ユーザービリティ 改訂版」(2625円)にのみ添付する。
(小野口 哲=日経コンピュータ) [2006/05/15]